あらしのあとに

先週に上陸した台風19号は、日本で猛威を振るいました。

ここ小笠原も例外ではありませんでした。島をかするように通過しただけにも関わらず、風が吹き荒れ、まるで地響きのような音を立てて雨が降り、海洋センターには建物に迫るほどの大きな波が押し寄せました。

今回は、そんな台風が過ぎ去った直後の調査模様をお届け。

ジャングルのように木々がうっそうと生い茂る森林。

ここは普段でも地形が悪く、前に進みづらいのですが、木々が台風によってなぎ倒されたことで、より悪化していました。身を屈まないと進むことが出来ないような場所もあり、ここで結構疲れました。

森林を抜けると見えるのは、開放感のある静かな海岸。

ですが…光景は様変わりしていて、折れた木や葉が辺りに一面に散乱し台風の爪痕はしっかり残っていました。

お母さんガメが産卵時に掘る大穴(ボディピット)の跡には落ち葉たくさんが溜まり、緑の池が、地面にいくつもありました。

そんな中で産卵巣の調査開始、ひたすら穴を掘り、中身を出します。

多くはカニなどの天敵にやられてしまった卵の残骸や、発生の進まなかった卵(写真に写るピンポン玉のようなもの)が出てきます。一つ一つを目で見て調べる必要があるため、数多く出てくると骨の折れるような作業が待っています…

しかしながら、時には出て来た殻のほとんどが、写真のような無事に子ガメがふ化することができたもの(全体的に白く、持つと紙のように柔らかい)なことがあります。この海岸では、そんな産卵巣が比較的多く、うれしく思いました。

砂を掘り返していると、時には生きた子ガメが出てくることも。卵からふ化した後、砂から出ることが出来ずに取り残されてしまうことがあるのです。

台風の中よく頑張ったな…ということで、元気あふれんばかりに動き回っていたので、そのまま海へ旅立ち。また小笠原に帰ってきてくれることでしょう。

子ガメの生命力の強さを知ることができた、そんな嵐の後の日でした。

調査もいよいよ大詰め。今年はどんな結果となるのか…期待しながら穴を掘る日々が、もうしばらく続きそうです。