特徴と名前の由来
ザトウクジラ Humpback Whale(Megaptera novaeangliae)は、成体で体長13~14m、体重30t(人間約500人)ほどの大きさになるナガスクジラ科のヒゲクジラです。特徴的な体の部分は、大型鯨類では唯一の長い胸ビレ、体長の約3分の1を占める頭部、そして背ビレの前がこぶ状に隆起していることなどがあげられます。
和名:ザトウクジラ
背中全体の丸みが座頭法師が琵琶を背負った姿に似ていることから付けられた。
※座頭法師:室町時代の琵琶法師の官名で、琵琶・琴・三味線などの遊芸やあんま、鍼などを職業とする頭を剃った盲人のこと。
英名:Humpback Whale
コブ(hump)状の背中(back)から付けられた。
学名:Megaptera novaeangliae
属名のMegapteraは長い翼という意味で、種小名のnovaeangliaeはニューイングランド地方の長い翼という意味からきている。
北太平洋の生息域
ザトウクジラは大陸や島の沿岸部を好み、ほぼ全海洋に分布するとされています。1年の季節によって、繁殖場と餌場の2つの離れた海域で過ごし、両海域間を周期的に移動しています。冬には低緯度の暖かい海で交尾・出産・子育てなどの繁殖活動をして、夏には餌の豊富な高緯度の冷たい海で餌を食べます。
北太平洋では次の3つのグループがあります。
東部北太平洋群:リベヤヒヘド諸島を含むメキシコ周辺(繁殖場)、カリフォルニア周辺(餌場)
中部北太平洋群:ハワイ(繁殖場)、アラスカ周辺(餌場)
西部北太平洋群:小笠原、沖縄(繁殖場)⇒近年になりフィリピンまで行っていることが分かっています。
オホーツク海からベーリング海にかけた周辺(餌場)と考えられていますが、それを実証する近年の記録はまた数例しかありません。