小笠原海洋センターでは、永久標識といわれている「リビングタグ」という新たな標識装着方法に取り組んでいます。生まれたてのアオウミガメの背中(黒色)の甲羅とお腹(白色)の甲羅の鱗板を4mm角くらいの大きさで切り取って入れ替えます。そうすると、黒い背中には白い斑点が、白いお腹には黒い斑点が残ります。斑点は、成長と共に少しずつ大きくなっていきます。この標識は個体を識別するためのものではなく、ふ化した年代を識別するためのものなのです。リビングタグは1982年にマレーシアで開発されたものですが、メキシコやコロンビアのカリブ海側で実施され、16年後に背中に白い斑点を持ったアオウミガメが親になって戻ってきた例が報告されています。そして現在、海洋センターでは、2005年に試験的に行ない、2006年から2010年まで毎年稚ガメにリビングタグを装着させ、他のプラスティックタグ、金属タグと併用して放流を行ないました。これまでに、その小笠原から放流されたリビングタグ個体が三重県や鹿児島県で発見されています。今後、これらのリビングタグを施されたアオウミガメたちが小笠原に戻ってくれば、小笠原のアオウミガメが実際に何年で親になるか、ヘッドスターティングしたカメがどのくらい生き残るかがわかります。

黒い四角がお腹に移植された背甲

黒い四角がお腹に移植された背甲

右下の白い四角の部分が移植された腹甲

右下の白い四角の部分が移植された腹甲