一難去って、また一難

つい最近19号が過ぎたかと思えば、またやって来ました(泣)

台風21号

今回は小笠原諸島に直撃し、島全体が暴風域に包まれました。かつてないほどの強い風に襲われ、木々がなぎ倒されて道路が塞がれたり、長期間に渡って停電するなど、島の自然と、人々の暮らしに大きな爪痕を残しました。

海洋センターもまた然り。これは、そんな台風が過ぎ去った翌日の出来事です。

朝到着すると、入り口には枝葉があちらこちらに散乱し、不穏な光景。

何かが起こっている…

恐る恐る飼育スペースまで進んでみると…この有様でした。

周囲にあった木々が、細い枝はおろか太い根本ごと折れ、飼育槽に入り込んでいました。風の力に衝撃を受けます。

「うわぁ…」という声と共に、思わずため息。

大量の葉が入り込んだことで、水は黄緑色や茶色に変わり、混ざり合ってなんとも言えない匂いが辺りに立ち込めていました。

しかし、覗き込んで見てみるとカメたちは無事な様子。

これはこれで自然ぽくて絵になってる?などと思っているのも束の間。

良く晴れた暑い天気の中、大掃除が始まりました。

カメたちを外に移し、消毒をしながら飼育槽内を掃除しました。この作業自体は定期的に行われているのですが、今回は入り込んだ枝葉が邪魔をし、思うように進みませんでした。

取り除いた木々だけで、高さ1.5mほどの山が出来上がりました。それにしてもすごい量。

1日かけ、皆で動き回った結果がこちら

なんということでしょう。

荒れ果て、まるでマングローブ林と化していた飼育スペースは、台風なんてそもそも来ていなかった、と錯覚してしまうほどに元通りとなりました。

まっさらとなった飼育槽で泳ぐカメたちは、心なしか普段より活発に見えました。

綺麗になってよかったよかった。

気付いてみれば夕暮れ。台風時の喧騒が嘘だったかのような穏やかさでした。

もう台風はこれっきりで終わりにしてください…と自然に願い、明日からまた頑張ろう。と意気込みながら、慌ただしかった1日が終わりました。

あらしのあとに

先週に上陸した台風19号は、日本で猛威を振るいました。

ここ小笠原も例外ではありませんでした。島をかするように通過しただけにも関わらず、風が吹き荒れ、まるで地響きのような音を立てて雨が降り、海洋センターには建物に迫るほどの大きな波が押し寄せました。

今回は、そんな台風が過ぎ去った直後の調査模様をお届け。

ジャングルのように木々がうっそうと生い茂る森林。

ここは普段でも地形が悪く、前に進みづらいのですが、木々が台風によってなぎ倒されたことで、より悪化していました。身を屈まないと進むことが出来ないような場所もあり、ここで結構疲れました。

森林を抜けると見えるのは、開放感のある静かな海岸。

ですが…光景は様変わりしていて、折れた木や葉が辺りに一面に散乱し台風の爪痕はしっかり残っていました。

お母さんガメが産卵時に掘る大穴(ボディピット)の跡には落ち葉たくさんが溜まり、緑の池が、地面にいくつもありました。

そんな中で産卵巣の調査開始、ひたすら穴を掘り、中身を出します。

多くはカニなどの天敵にやられてしまった卵の残骸や、発生の進まなかった卵(写真に写るピンポン玉のようなもの)が出てきます。一つ一つを目で見て調べる必要があるため、数多く出てくると骨の折れるような作業が待っています…

しかしながら、時には出て来た殻のほとんどが、写真のような無事に子ガメがふ化することができたもの(全体的に白く、持つと紙のように柔らかい)なことがあります。この海岸では、そんな産卵巣が比較的多く、うれしく思いました。

砂を掘り返していると、時には生きた子ガメが出てくることも。卵からふ化した後、砂から出ることが出来ずに取り残されてしまうことがあるのです。

台風の中よく頑張ったな…ということで、元気あふれんばかりに動き回っていたので、そのまま海へ旅立ち。また小笠原に帰ってきてくれることでしょう。

子ガメの生命力の強さを知ることができた、そんな嵐の後の日でした。

調査もいよいよ大詰め。今年はどんな結果となるのか…期待しながら穴を掘る日々が、もうしばらく続きそうです。

生き残った子

みなさん、お久しぶりのカメネタブログです。

本州の方はそろそろ秋でしょうか?小笠原もそろそろ夏が終わるかな~…なんて、小笠原はまだまだ日差しギラギラです。

水槽掃除中に長ズボンをまくり上げただけで、くっきりと線が入るほど日焼けしてしまいます。

みなさん9月だからといって油断せず、日焼けにはご注意を!

さて、ドタバタだった夏休みシーズンが終わると同時に、8月下旬にて今年の産卵シーズンが終了しました。

カメのふ化には約2か月ほどかかりますので、8月下旬まで産卵があったということは、11月近くまで子ガメちゃんが生まれてくるということです。

さてさて、ここでようやくタイトルに触れていきたいと思います。

先日、大村海岸にて卵を保護していると、残念なことにほぼ全卵カニ害に遭ってしまっている産卵巣がありました。

悲しいですがこれが自然界の現実です。

しかしそんな中、1個だけ生きていた卵がありました。

ウミガメの赤ちゃんは砂の中でふ化してみんなで地上を目指すので、確実にふ化・脱出させるためには、この生き残った卵1個だけを埋めるわけにもいかず、砂と一緒に小さい容器に入れて毎日どきどきしながら観察していました。

そして…ついにふ化!(パチパチパチパチ)

翌日になるともう少しこんにちは。まだまだお腹の栄養分(卵黄)が大きいですね。

通常、地上に出てきた頃にはこの卵黄は吸収されてほぼなくなっています。

まだ殻から出てこないかなーと思っていたら

その日のうちに元気に出てきてくれました。あらかわいい!(プハァ)

お腹の卵黄が吸収されるまでの数日間は海洋センターで観察し、その後放流、無事に海へと旅立っていきました。

100~110個の卵のうち、この子だけ生き残ったって、なんだか感慨深いですよね。

自然界の厳しさを感じます。

ここらでブログを締めたいところではありますが、最後に!

生まれたばかりの赤ちゃんガメを放流することができる有料プログラム「子ガメdeNight!」の開催は、今シーズン残すところあと1回となりました。(9/28開催)

もし赤ちゃんガメの放流がしたくて、かる~くウミガメの解説も聞いてもいいよなんて思っているそこのあなた。

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※前日にご予約される方は送迎の関係上お電話いただけますと助かります。

それでは、先日のナイスな景色にてお別れのお時間とさせていただきます。

嵐の前の静けさ

小笠原の南東にあった熱帯低気圧が台風15号に変わり、明日には父島に直撃のようです。海洋センターでは、そんな台風の対策に追われていました。

台風が近づくと、調査に用いている船が飛ばされたり、倒れないようにするため、このように車とロープを使って船をしっかりと固定します。

いつもは飼育道具であふれかえっているラックも、道具が屋内に移動されてすっきりとし、少し寂しげな感じに。

見る限り、夕方の海岸はまだ穏やかでした。

しかし、風が少しずつ強くなり、島内には船の欠航情報や注意情報の放送が響き渡り、これから台風がやって来るという緊張感をひしひしと感じます。空を見ると、明るい太陽とは裏腹に、鈍い灰色の雲が空を覆い始めていました。

飼育場内のカメたちは、いつもと変わらぬ様子でゆったりと過ごしていました。

8月の初旬に脱出し、飼育を始めた子ガメ達は1ヵ月経ち、以前よりひとまわり大きく、体つきはよりたくましくなり、黒かった甲羅にはうっすらと茶色が付きはじめました。今後の成長が楽しみです。

台風が通過すると海はしばらく荒れ、マリンスポーツ(スノーケルや釣りなど)がしばらく楽しめなくなってしまうのが痛いところですが、何事もなく、穏便に島内を過ぎることを祈るばかりです…