みなさんこんにちは!
小笠原海洋センタースタッフの清水です。

日々忙しく働いているうちに、お知らせ以外でブログを書くのが2年ぶりになってしまいました。
今後はもう少し更新したいところです……

さて、今日はタイトルの通り、母島列島へ調査に行ってきましたのでその様子をご報告します!
最後に母島列島に行ったのは、ザトウクジラの調査が目的だった2月のこと。実に8か月ぶりの母島列島への遠征となりました。

今回の調査では、この夏何度も接近した台風によって変わっているであろう砂浜の地形確認や、産卵状況の大まかな把握を行いました。
そんな1日の様子をVlogにまとめましたので、ぜひご覧ください!
※常に風と波の音がすごいので、音量注意です!!!!

早朝に出発し、まずは母島の東側にある大崩(おおくずれ)海岸に向かいました。大崩湾にある砂浜で、その名の通り山が大きく崩れている箇所があるのが特徴です。
大きな台風が来るとその度に地形が変わってしまう砂浜でもありますが、今夏は海からの高波と山から流れ落ちてくる大量の雨水の両方の被害にあったようで、砂浜にあった木の多くが枯れ、倒されたり流されたりしている木も多く確認できました。
昨年は産卵が多かったエリアも、今年産卵があったのかすら確認できない状況で、来年はいったいどうなるのか予想もつきません。新たに山肌が崩れている箇所もあり、自然の威力を改めて感じた砂浜でした。

大崩湾を出たあとは、ははじま丸が入港する沖港の近くを通り、母島のすぐ近くにある向島(むこうじま)へ上陸しました。
向島で調査するのは「小湊海岸」と「コペペ海岸」の2つの海岸で、歩いて行き来できる隣り合った海岸です。
小笠原に詳しい方は、あれ?と気が付くかもしれません。
実は、父島にも「小港海岸」と「コペペ海岸」、漢字こそ違いますが同じ名前で、同じように隣り合った2つの海岸があります。入社したころ、どうして同じ名前の海岸なんだろうと思って調べてみたことがあるのですが、明確な答えにたどり着くことはできませんでした。コペペは人名に由来しているようですが、果たしてそれぞれの砂浜で由来になったとされる人物は本当に同一人物なのか?そもそも実在したのか?など、まだまだ謎は多いようです。

話が逸れてしまいましたが、小湊海岸とコペペ海岸は例年と比べて地形の変化は少なく、砂の中で生まれた赤ちゃんガメが地上に出た後に残された窪みも確認することができました。
今年も無事に産卵することができ、赤ちゃんガメが無事に生まれた証拠です。

向島から移動して「姉島」(あねじま)にある砂浜にも上陸しました。
砂浜にあった砂がかなり流出し、産卵できるエリアがかなり限られてしまったような印象でした。また、海岸にあった植物たちが軒並み枯れてしまい、なんだか殺伐とした雰囲気の海岸に変化していました。
姉島は無人島ですが、かつては人が住んでいて、ブタやヤギの放牧が行われていたそうです。砂浜から少し島の内陸を覗くと、人が造ったであろう石畳を見ることができました。

そして最終目的地の「平島」(ひらしま)。
母島列島の中では例年もっとも産卵が多い砂浜で、背の高いヤシの木が1本生えているのが目印になっています。
波打ち際に近いエリアの砂は少し積もったような印象でしたが、それ以外はあまり大きな変化はなく、赤ちゃんガメがふ化した後の窪みも簡単にいくつも見つけることができました。そのうちいくつかは掘り返し、どのくらいの割合で赤ちゃんガメが生まれたかを確認しました。
私が掘って調査した場所は、無事に生まれた卵の殻と、残念ながら砂の中で死んでしまっていた卵などすべて合わせて200個以上の卵が出てきました。アオウミガメは1回の産卵でおよそ100個の卵を産むことが分かっているので、200個以上あったということはおそらく2頭以上のお母さんガメがほぼ同じ場所に産卵したんだな、と推測することができました。

平島での調査を終えたあとは、船の上で昼休憩をとりました。食べている途中でスコールに見舞われてしまいましたが、スタッフSくん特製のお弁当はとっても美味しかったです!いつもありがとう!!!
お昼ご飯を食べ終え少し休憩していると、船のすぐ近くに大きなウミガメがやってきました!
慌てて水中にカメラを入れて撮影してみたところ、なんとか動画に映っていたのでスクリーンショットをお届けします。久しぶりに会う野生の大きなウミガメに、見慣れているはずのスタッフたちのテンションも上がりました!

大きなメスのアオウミガメ

そんなこんなで調査を終え、父島に戻ります。日没が早い季節なので少し早めに入港し、17時過ぎには片付けまですべて終えることができました!
自分たちの船で50㎞も離れた母島列島まで行くのは大変で、安全面には神経質なくらい気を配らなければいけません。母島列島に行くことが久しぶりだったこともありますが、そうでなくとも毎回行く前にはちょっぴり緊張して出かけます。それでも今回も事故や怪我なく行って帰ってくることができました。
これからも楽しく、安全に調査を行い、得られた貴重なデータをウミガメの保全活動へ役立てていきます!
最後までお読みいただきありがとうございました!