小笠原海洋センターで行なっているウミガメ教室には、老若男女さまざまな方が参加します。

みなさんが、小笠原のアオウミガメというフィルターを通して、
保全だったり生物多様性だったり、絶滅危惧に瀕しているウミガメのこと。
海洋環境の未来や、今ある自然の大切さ。
何かしらを感じ取ってもらい、「ウミガメ教室楽しかった!」と言ってもらえるような、
思い出と共に『心に残る』レクチャーを心掛けています。

そんなウミガメ教室では、特に夏休みシーズンの小さな子たちが、
一生懸命にメモを取りながら、レクチャーを聞いてくれる姿をよく見ます。
スライドを送る手も、いつもより気持ちゆっくりにしたくなります。
照れながら質問している姿もかわいらしいです。

そんな子からたまに、夏休みの自由研究の成果がセンターへ送られてくるので、
今日はその素晴らしい研究発表を、みなさんにもお届けできたらと思います。

すごくないですか?説明もすごく丁寧で、絵も本当に上手です。
自分が小学校1年生の時なんて、新幹線とクリボーの絵ばかり描いてましたよ。

私の見立てでは、卵もちゃんと100個書いてある気がします。
ウミガメの鱗板も特徴をとらえてますし、産卵巣から海へ帰っていく構図も素晴らしいです。
個人的には、小笠原のきれいな海がちゃんとグラデーションになっているところが100点満点です。

「カメセンター楽しかったね」だけでもうれしいのですが、
こうやって子どもたちが、ウミガメを見て・触って・学んで、
それらを自分でまとめて、発表してくれるということは、本当にうれしく思います。

それでは最後に、てつしくん。ウミガメは大好きになったかな?
今回ウミガメ教室で学んだことは、実はウミガメの生態の基礎の部分です。
まだまだ解明されていないことも多いし、もっと専門的な情報や研究もたくさんあります。
アオウミガメは小笠原が日本最大の繁殖地ですが、
内地や他の島ではアカウミガメの産卵を見られる場所もあるし、
世界に目を向ければ他のウミガメもいて、それらも解明されていないことが多いです。
もしこのままウミガメに興味を持ち続けていたら、将来海洋センターで一緒に働けるかも?

今回のウミガメ教室で持った好奇心を忘れずに、
何事にも「どうしてだろう?なぜだろう?」という興味を持ち、
インターネットや人の話で「知っていること」ではなく、
自分で見て聞いて触れて「判ったこと」をひとつでも多くできるよう、
勉強も遊びも全力で楽しんでください。

そしてたまにでいいので、そんな経験を小笠原海洋センターのスタッフに教えに帰ってきてください。
スタッフ・ウミガメ一同、てつしくんとまた会える日を楽しみにしています。

…少しややこしいメッセージになってしまいましたね。
お母さま、いい具合にかみ砕いてお伝えいただければと思います。

それでは本当に最後の最後として、
自分の心に残っている恩師の言葉をみなさまにお裾分けして、
駄文の締めとさせていただきます。

『いっぱい遊んで、いっぱい遊べ!』