ウミガメレスキュー日誌2018 vol.5

海岸での産卵調査中は、産卵巣を探すのに夢中でうっかり地面ばかりを見がちです。
日も暮れてきて、今日はこれでもう終わりかなと一息ついていると、スタッフの一人が…

「…お母さん!?」

「え?」(あまりの疲労で、まさか幻覚でも…?)

ん…?…違う!
よ~く見ると産卵に来たのであろう、お母さんガメがいるではないですか!

しかも、めちゃくちゃ困ったご様子。
それもそのはず。なんだかピッタリはまっちゃってます。

近づいて確認した瞬間、生まれて初めてカメの言葉が聞こえた気がしました。

(助けて…!)

そんなファンタジーを感じた瞬間の写真がこちらになります。

木の根っこと根っこの隙間で、これ以上ないフィット感を醸しています。
景色に溶け込みすぎて、カメがいると気が付くまで時間が掛かりました。

人で言うと、電車とホームの間に落ちてしまったという感じでしょうか。

別に私が太っているわけじゃないの!誰だってお腹で止まるものなの!
やだもうっ!これ以上、私を見ないでー!

って感じの、絶望的な状態です。

ウミガメは人間とは異なり、変温動物で特に陸上では体温調節がうまくできません。
6月で曇りとは言え、ここは南の島小笠原。この暑さにお母さんもだいぶ弱っているご様子。

「これは一刻も早く助けてあげねば!」

毎回お伝えしていますが、相手は体重100kgを優に超える大物。
大人2~3人でも、持ち上げることは不可能です。

今こそ、皆の力を合わせる時!
引っ張る係と押す係にわかれて、いざ!

「せーのぉ~ォオォォオォォー!」(写真撮ってないで手伝えぇぇえぇ~!)

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スタッフ(1名除く):「ハァ…ハァ…」
カメ:(ハァ…ハァ…)※多分

体力の消耗もあり動きはゆっくりでしたが、お母さんは無事に海へと帰っていき、
我々は、
また同じ場所にカメがフィットしないよう根っこの隙間を埋めました。

みなさん(他のカメ)もご乗車(産卵)の際は、足元にご注意くださいね。