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新人スタッフ奮闘記(その⑦)

2022-07-01T08:27:14+09:00

みなさんこんにちは! 小笠原海洋センタースタッフのしみずです。 全国的に梅雨明けし、いよいよ夏本番ですね!小笠原はひと足もふた足も早くすでに真夏の陽気です。気を抜くと「暑い」しか言えなくなるので困っています。でも本当に暑いんですよ・・・恐るべし小笠原の夏・・・ でも、ボニンブルーの空と海はとても綺麗です!!! 今回のブログでは「夜間パトロール」について紹介しようと思っていたのですが、なんだか産卵のピークは過ぎてしまったような気も・・・ でも、めげずにご紹介させてください!! 「夜間パトロール」、通称「夜パト」は、その名の通り、夜の大村海岸をパトロールします。 大村海岸には、産卵のために多くのお母さんガメが上陸してきます。そんなお母さんガメの産卵を見守り、産卵した場所を周辺の目印から計測しておくことで光害対策として行っている卵の保護に役立てています。 また、お母さんガメ協力のもと標識放流も行います。 上陸している間に両後肢と左前脚に標識を付け、甲羅の大きさを計測してから海へ帰します。この個体識別を行うことで、様々な情報を得ることができるんです! 例えば・・・ アオウミガメのメスは4年に1回のペースで産卵すると言われています。では、海水温が上昇していると言われる近年、影響を受けて産卵の間隔は変化しているのでしょうか。 この疑問を解決したいと思った時に標識があるととても便利です。 以前、産卵のため上陸したときの標識が付いていると、その時の記録を遡ることができるので何年振りの産卵なのかを確認することができます。過去に何度も上陸している個体の場合、その個体の産卵間隔を20年以上にわたり確認できることも!ずっと活動が続けられてきたからこそ、こうしたデータを多く得られています。 ちなみに、今シーズン上陸した個体で過去のタグを確認すると、前回の確認が2017年の個体と2019年の個体が多いです。一般的に言われる4年ではなく、5年と3年の間隔ですね。ウミガメの謎は深まるばかりです。 夜パト中には色々なお母さんガメに出会います。せっかくなので、個人的に印象的だったカメを2頭ご紹介します。 【その1】 30分前に確認したカメが付近に見当たらず、海へ帰った形跡もなく。いなくなった!?と焦って必死に探したところ、砂浜から100m以上離れた場所まで進んでしまっていました。産卵場所を探しているうちに迷子になってしまったのでしょうか。1時間ほどかけて誘導し、なんとか海へ帰すことが出来ました。 【その2】 良い産卵場所に出会えなかったのか、ひと晩で5回も上陸してきたカメ。その日3回目の上陸のころにはもう友達のような感覚で「また来たの~!がんばって~!」と声をかけてしまいました。翌日も上陸するも産卵できず、さらにその翌日、3日目にそのカメに会った時は「今日こそ産卵して帰りたいね~」と声を掛けました。その日、多くの観光客の方に見守られながら無事に産卵することができ、なんだか私まで嬉しかったです。 いかがでしたか?こうして書きながら思い返すと、カメの産卵に向けた熱意と人間臭さにちょっと笑えてきます。(笑) 夜パト中には、ウミガメの産卵行動を見守ることもあります。夜パトの度に、というわけではないのですが、見たときには毎回ウミガメの器用さに感心してしまいます。目で見ながらではなく、後肢の感覚だけを頼りに穴を掘り、卵を産み埋めていく姿にはウミガメという生物の強ささえ感じます。 みなさんも産卵行動見学の際には、海洋センタースタッフやツアーガイドの指示に従ってそっと見守ってあげてくださいね。 夏真っ盛りの小笠原。7月はどんなウミガメに出会えるのでしょうか。 来月もお楽しみに!  

新人スタッフ奮闘記(その⑦)2022-07-01T08:27:14+09:00

新人スタッフ奮闘記(その⑥)

2022-05-31T13:36:50+09:00

みなさんこんにちは! 小笠原海洋センター新人スタッフのしみずです。 小笠原はすっかり夏、半袖でも暑いほどの毎日です。それでも日焼け対策のため長袖で頑張っています! お風呂上がりにはアイスが欠かせず、ダイエットに支障が出そうです。 さて、夏の小笠原といえば、アオウミガメの季節です!!!!! 待ちに待った産卵シーズンが本格化してきました。 産卵シーズンは、私たち海洋センタースタッフにとっては調査シーズンでもあります。 「産卵調査」と「夜間パトロール」を主に実施していますが、今回は産卵調査を中心にお話していきたいと思います。 産卵調査の流れを簡単にご説明します。 まず、車や船で砂浜に行き、カメの足跡や産卵した形跡がないか探します。産卵した形跡があれば、そこに「テッキン」と呼んでいる棒を刺して卵のある場所を探します。場所が分かれば砂を掘って卵を3つだけ丁寧に取り出し、産卵から何日が経過しているのかを調べてから丁寧に埋め戻します。埋め戻したら他の目印となる場所から巣の場所を計測して終了です。 巣の位置を計測している様子 ・・・簡単に思えますよね。 簡単そうに書きました。 でも実際はとっても難しいんです!!!! アオウミガメの産卵した形跡は、必ずしも同じ形とは限らないので、まず産卵の形跡を探すことから難題です。カメの足跡が消えてしまっているとより難易度が上がり、集中して砂浜を歩かないと見落とすこともあるくらい難しい作業です。 さらに、産卵した形跡からお母さんガメがどんな動きをしたのか予測し、「テッキン」を使って砂の中に産み落とされた卵を探します。 卵探し中の先輩スタッフ 今の私は「このあたりに卵がありそう!」という予測が出来るように、経験値の積み重ねをしている最中です。産卵の形跡の大体の形から「まんまるタイプ」「縦長タイプ」「カーブタイプ」「ふわふわタイプ」などと名前を付けて、少しでも覚えやすいように工夫をしています。ちなみにふわふわタイプが一番の難関です。 「テッキン」は、スタッフ1人につき1本、ステンレス製の棒を持っています。 1本ずつちょっとした違いがあるスタッフのテッキン   この棒を砂に刺し、砂の感覚で卵のある場所を探します。これもとっても難しいです。 木の根や石に阻まれて思うように刺せなかったり、卵はないのに似た感覚の場所があったりと非常に難しいです。また、テッキンで砂の中の卵を割らないよう細心の注意を払う必要があるため、とにかくあちこち刺せばいい!ということでもないのです。 やっと見つけた卵は、卵の向きが変わらないように注意して観察します。産卵から1日目の卵は全体的にピンク色で、表面にやや濡れた感触があります。産卵から14日目の卵は全体的に白く、やや乾燥していて殻がしっかりした厚みのある印象になります。実際の卵を見てみると、上のほう一部分だけ白くなっていることが多く、この白い範囲から産卵日を推察します。初めて産卵調査に行った時には1日目の卵を5日目と言ってしまったり、2日目と3日目が区別できなかったりと、事前の想像以上に難しい作業でした。 卵をじっくり観察。 これは1日目の卵でした。 とにかく難しいと何度も書いてしまいましたが、そのくらい難しい作業です。一緒に調査に行く先輩スタッフを見ていると、たくさんの産卵や卵を見てきた経験値の高さが重要なんだなと実感します。私も少しでも早く追いつけるように、ひとつの経験も無駄にしないよう頑張りたいと思います。 調査は難しいことも多いですが、ウミガメたちのことをたくさん知ることのできる貴重な機会でもあり、学ぶことはとても多いです。 今年の小笠原のウミガメたちはこの夏、どんな姿を見せてくれるのでしょうか。とても楽しみです!

新人スタッフ奮闘記(その⑥)2022-05-31T13:36:50+09:00

新人スタッフ奮闘記(その⑤)

2022-04-30T08:56:38+09:00

みなさんこんにちは! 海洋センター新人スタッフのしみずです。 新人といえど、入社後半年を迎え、新人感が薄れてきてしまった気がします。が、まだまだフレッシュに頑張りたいと思います! この春から新学年や新社会人、新しい環境になった皆様、あまり変わらないよ~という方も一緒に頑張っていきましょう!   すっかり夏の陽気の小笠原。 ついに、アオウミガメの産卵シーズンが始まってきました!私にとっては初めての産卵シーズンです! ここ数日、島内の皆様のご協力によって毎日のようにアオウミガメの産卵情報が寄せられています。こういった情報を基に、海洋センターでは産卵調査に行くのですが・・・ 別の作業で忙しかったり、コロナ禍の煽りを受けたりと、私自身は1度も調査に行けていません。早く調査に行って、母ガメの大きな足跡や砂を掘り返した跡などを実際に自分の目で見てみたいな~~と思うばかりです。       最近の業務といえば・・・ ウミガメのパピーウォーカープログラム関連の業務が多いですね!   そもそもどんなプログラムなのかをご紹介します。 パピーウォーカーとは、盲導犬候補の子犬を生後2か月ごろから1歳ごろまで育成するご家庭の方を指す言葉として広く使われています。 盲導犬ではありませんが、毎月お送りするメールマガジンで放流までの約一年間の成長を見守っていただきます。ご参加の皆様には子ガメの命名もしていただき、放流の様子を撮影した動画をお送りするという長期プログラムです。 実は最近、2021年の夏から皆様に見守られて大きく成長した子ガメたちのうち60頭ほどの放流を行いました!   放流前から、どの個体を放流するか考え、放流前に必要な標識付けや身体計測などの作業を行いました。イチから自分で考えて放流することや、一度にたくさんの子ガメの放流をすることが初めてだったので、たくさんの反省点はありますが、なんとか無事に放流することができました。 毎月、メールマガジンでお話している皆様の思いが詰まった子ガメということもあり、たっぷりの愛情と大人になってまた再会できることへの願いが伝わったように感じられ、とても良い経験を積むことができました。反省点はまた6月ごろに行う放流に活かしていければと思います! 放流の様子はスタッフ・ボランティア総出で撮影し、現在は絶賛編集作業中です。 パピーウォーカーにご参加の皆様はどうぞお楽しみに!! (放流時の撮影の様子。陸上と水中から撮影します)   また、2022年度のパピーウォーカー募集も始まり、そちらの受付作業も行っています。 宣伝ですが(笑)パピーウォーカーにはこちらのページからお申込みいただけます。 →パピーウォーカー2022受付サイト   ご興味があればぜひ参加してみてくださいね!   最近嬉しかったことも書いておきますね! この4月から、展示館で販売しているTシャツの発注担当になり、先日初めて発注を行いました。   発注するときは 「このデザインにはこの色かな?」 「せっかく担当者が変わったのだから、今までにはなかった色も追加したい」 「何色が人気なんだろう・・・?」 「各サイズ何枚発注しよう?」 「そもそも今あるあの色は、いったいどの品番の色なんだろう?」 と、考えすぎて、悩みすぎてしまい、発注作業には数日を要しました。   ですが、そんな苦労も実際に届いた商品たちを見れば忘れてしまうほど、素敵なTシャツたちが届きました! 1番人気のクジラTシャツには欠品になっていたサイズの再入荷と新色を追加、定番の海洋センターTシャツにも新色を追加しました! また、久しぶりの販売となった「おつかめさま~」Tシャツにも新色を加えて再販売しました!   入荷作業を手伝ってくれたボランティアスタッフのみんなからも大好評で、 「この色かわいい~!」 「このデザインとこの色合いますね」 「(すでに持っている)人と被らないのが嬉しい」 と喜び、そして発注担当を褒めて(お世辞の可能性は考えないことにします!)早速購入してくれました!みんなありがとう~~!! (早速「おつかめさま~」Tシャツで記念撮影)   現在、展示館は島内で新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み臨時休館しております。再開した際にはぜひTシャツも見に来てくださいね!     今月は以上です! 来月も嬉しいことが書けるように頑張っていきたいと思います! それではまた来月お会いしましょう!

新人スタッフ奮闘記(その⑤)2022-04-30T08:56:38+09:00

【臨時休館のお知らせ】

2022-04-28T17:14:07+09:00

父島内での新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、 小笠原海洋センターでは当面の間、展示館を臨時休館いたします。 なお、屋外のウミガメ水槽は8:00~17:00の間ご覧いただけます。 ウミガメのおやつは無人販売にて継続いたしますが、その他プログラム・商品の販売は行いません。   また、展示館で販売している商品の一部は下記オンラインショップでもご購入いただけます。 ELNAサポートショップ ELNA(エバーラスティング・ネイチャー)は、小笠原海洋センターの運営団体です。 ぜひご利用くださいませ。   さらなる感染拡大を防ぐため、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。  

【臨時休館のお知らせ】2022-04-28T17:14:07+09:00

水中のウミガメたち

2022-03-28T16:06:55+09:00

こんにちは! 海洋センタースタッフのしみずです。   春分の日も過ぎて、半袖で過ごせそうなくらい暖かい日が増えてきました。 わたしは寒がりなので長袖がまだまだ必要ですが、ボランティアスタッフや観光客の方には半袖の方も多くみられます。あっという間に夏が来そうです!! 日焼けシーズン突入です!!!!!!日焼け止めを買い溜めしなければ!!!!!!!     最近では交尾行動中のアオウミガメを海で見かけるようになりました! 小笠原では、カメの交尾があるとザトウクジラのシーズンも終わりと言われているのでなんだか寂しい気持ちになりますが・・・ザトウクジラたちとのまた来年の再会を期待して、これから始まるアオウミガメシーズンを楽しみたいと思います!       今回は、スタッフのお仕事に関するお話はちょっとおやすみして・・・ こちらの写真をご覧ください。 水中カメラで撮影した、タイマイのアズキちゃんです。 かわいいですよね。 過去最高にかわいいアズキちゃんが撮影できたと自負しています。   そうなんです、最近のわたしは水中撮影にハマっています。 水槽の中にカメラを入れて撮影するのですが、水面からではカメラの画面は見えないのでどんな写真が撮れているのか分かりません。撮りたかったカメがフレームアウトしてしまったり、変な角度だったりとなかなかうまくはいきませんが、その分うまく写真が撮れた時の嬉しさはひとしおです。   突然水中に現れたカメラに対してのカメの反応もさまざまで、とても興味深いです。 びっくりして後ずさりする子、遠くにいたのに興味津々で近付いてくる子、完全にスルーして通り過ぎる子など、同じ水槽の中でも違いが見られるので見ていて楽しいです。 個人的には、こんなにカメの表情を引き出せる撮り方はない!と思っているので、その一部をご紹介します。   毎回カメラに突進してきて口を開ける、アカウミガメのなっちゃん。口の中まで綺麗に見せてくれました。それにしてもこんなに口を開けてくるなんて、目の前に現れるものはすべてゴハンだと思いこんでいるのでしょうか?なんだか心配です。 アオウミガメのコータくん。彼も目の前のものすべてがゴハンだと思っているようです。飼育担当としては、そのくらい食欲旺盛で健康ということなので嬉しいですが、やはりなんだか心配です。 2020年生まれのアオウミガメ。とっても警戒心が強く、カメラを入れると遠く離れたところからそっと様子を伺ってきます。何度かチャレンジしているのですが、毎回甲羅の写真しか撮れません。とても美人なお顔をしている子なので、いつか水中でもそのお顔を見せてくれることを期待しています。 こちらの0歳の子ガメは興味津々タイプ。この後カメラに激突しました。食いしん坊もほどほどにね! こちらはアオウミガメ(白変個体)のちびちゃん。カメラを入れてすぐは警戒していてあまり近付いてくれませんでしたが、しばらくカメラを入れているとよく見えている左目で覗き込むように近付いてきてくれました。 こちらはちょっと警戒している0歳の子ガメ。表情もなんだか怪訝そうに見えます。     いかがでしたか? ひとくちにウミガメと言っても、個体によって反応もさまざま。同じ環境で飼育していても、これだけ個体差があるのはウミガメの面白さだと思います。なかなか皆様が見ることのない表情もあったのではないのでしょうか。 写真を見ていただくと分かるように、ウミガメたちはカメラに向かって口を開けてきます。お客様がケガをしたり、カメがケガをしたりする可能性がありますので、水槽の中には手やカメラを絶対に入れないようにお願いいたします。 可愛い写真はブログやSNSに掲載しますので、そちらで楽しんでください!     それでは今月のブログはここまで! また来月のブログでお会いしましょう!!

水中のウミガメたち2022-03-28T16:06:55+09:00
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