みなさんこんにちは!
小笠原海洋センター新人スタッフのしみずです。
小笠原はすっかり夏、半袖でも暑いほどの毎日です。それでも日焼け対策のため長袖で頑張っています!
お風呂上がりにはアイスが欠かせず、ダイエットに支障が出そうです。
さて、夏の小笠原といえば、アオウミガメの季節です!!!!!
待ちに待った産卵シーズンが本格化してきました。
産卵シーズンは、私たち海洋センタースタッフにとっては調査シーズンでもあります。
「産卵調査」と「夜間パトロール」を主に実施していますが、今回は産卵調査を中心にお話していきたいと思います。
産卵調査の流れを簡単にご説明します。
まず、車や船で砂浜に行き、カメの足跡や産卵した形跡がないか探します。産卵した形跡があれば、そこに「テッキン」と呼んでいる棒を刺して卵のある場所を探します。場所が分かれば砂を掘って卵を3つだけ丁寧に取り出し、産卵から何日が経過しているのかを調べてから丁寧に埋め戻します。埋め戻したら他の目印となる場所から巣の場所を計測して終了です。
・・・簡単に思えますよね。
簡単そうに書きました。
でも実際はとっても難しいんです!!!!
アオウミガメの産卵した形跡は、必ずしも同じ形とは限らないので、まず産卵の形跡を探すことから難題です。カメの足跡が消えてしまっているとより難易度が上がり、集中して砂浜を歩かないと見落とすこともあるくらい難しい作業です。
さらに、産卵した形跡からお母さんガメがどんな動きをしたのか予測し、「テッキン」を使って砂の中に産み落とされた卵を探します。
今の私は「このあたりに卵がありそう!」という予測が出来るように、経験値の積み重ねをしている最中です。産卵の形跡の大体の形から「まんまるタイプ」「縦長タイプ」「カーブタイプ」「ふわふわタイプ」などと名前を付けて、少しでも覚えやすいように工夫をしています。ちなみにふわふわタイプが一番の難関です。
「テッキン」は、スタッフ1人につき1本、ステンレス製の棒を持っています。
この棒を砂に刺し、砂の感覚で卵のある場所を探します。これもとっても難しいです。
木の根や石に阻まれて思うように刺せなかったり、卵はないのに似た感覚の場所があったりと非常に難しいです。また、テッキンで砂の中の卵を割らないよう細心の注意を払う必要があるため、とにかくあちこち刺せばいい!ということでもないのです。
やっと見つけた卵は、卵の向きが変わらないように注意して観察します。産卵から1日目の卵は全体的にピンク色で、表面にやや濡れた感触があります。産卵から14日目の卵は全体的に白く、やや乾燥していて殻がしっかりした厚みのある印象になります。実際の卵を見てみると、上のほう一部分だけ白くなっていることが多く、この白い範囲から産卵日を推察します。初めて産卵調査に行った時には1日目の卵を5日目と言ってしまったり、2日目と3日目が区別できなかったりと、事前の想像以上に難しい作業でした。
とにかく難しいと何度も書いてしまいましたが、そのくらい難しい作業です。一緒に調査に行く先輩スタッフを見ていると、たくさんの産卵や卵を見てきた経験値の高さが重要なんだなと実感します。私も少しでも早く追いつけるように、ひとつの経験も無駄にしないよう頑張りたいと思います。
調査は難しいことも多いですが、ウミガメたちのことをたくさん知ることのできる貴重な機会でもあり、学ぶことはとても多いです。
今年の小笠原のウミガメたちはこの夏、どんな姿を見せてくれるのでしょうか。とても楽しみです!