【カメトピ③】配列アイデンティティ

小笠原ではウミガメシーズンが終わりを迎え、父島は一気に寒くなりました。
最近、カメトピックスをあまり提供できていなかったので、
そろそろ真面目にカメの話をします!

カメトピ第3回目は、『背甲リン板の配列奇形』についてです。
と、急に言われても「へっ?ハイレツキケイ?」って感じだと思います。
なので、まずはウミガメ背甲の模様の並び方(配列)についての解説を。

うぉっほん。

まず、ウミガメは甲羅の枚数が決まってる。
アオウミガメは、縦に数えて【左列:4枚、中央:5枚、右列:4枚】

ちなみに種ごとに特徴があり、アカウミガメだと【左列:5枚、中央:5枚、右列:5枚】となる。
なのでアオウミガメであれば、基本的にはどのカメの甲羅も【4:5:4】という配列だ。

だが、どこの世界にも例外はいる。

海洋センターのふ化場で生まれた子ガメのうち、おおよそ5.05%の確率で配列が通常と異なる、
いわゆる「奇形」と呼ばれるカメが生まれている。(Kobayashi et al. 2017)

一言で配列奇形と言っても、様々なバリエーションがある。

よーく見るとちょっと違う、さりげないタイプ【4:6:4】

ちょっと斜に構えた、アシンメトリータイプ【4:4:3】

周りと差をつけたい、自己主張強めタイプ【5:8:5】

などなど。

では何故、この配列奇形と呼ばれるウミガメたちが生まれるのか。
可能性として、大きく分けて2つの原因が考えられる。

その1:遺伝
配列奇形の母ガメからは、より多くの配列奇形の子ガメたちが生まれている。

その2:高いふ卵温度
配列奇形のウミガメは、オスよりメスの方が多い。
そして、メスはふ卵温度が高いと生産される。

おそらくこれらが組み合わさって、もしくは他の環境要因で生まれていると考えられる。
(Kobayashi et al. 2017)
さらに詳しく知りたい方は論文をどうぞ。今年発表された小笠原父島での研究結果です。
http://www.bioone.org/doi/10.2108/zs160159

個人的にはマイノリティーな感じにちょっと憧れますが、
一般的に配列奇形の子ガメは生存率が低いと言われます。

配列奇形の子ガメたちの成長具合や生存率を少しでも解明できたらと、
海洋センター内の水槽には、私独自の勝手な美的センスと直感による、
選りすぐりの配列奇形の子たちが元気に泳いでいます。

海洋センターにお越しの際は、○ォーリーを探せ的な感じで奇形の子ガメを探してみてください。