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プログラム料金改定のお知らせ

2022-04-02T14:46:26+09:00

2022年4月4日(月)より、小笠原海洋センターで開催しているプログラムの料金改定を行います。 ※ 表示価格は全て税込みです。 <2022年4月2日現在、開催中のもの> ○ ウミガメ教室【2時間コース】  改定前 → 大人(中学生以上):3,300円 / 小人(小学生):2,200円  改定後 → 大人(中学生以上):3,480円 / 小人(小学生):2,480円 ○ ウミガメ教室Lite  改定前 → 大人(中学生以上):1,600円 / 小人(小学生):1,100円  改定後 → 大人(中学生以上):1,980円 / 小人(小学生):1,480円   <2022年4月2日現在、休止中のもの> 下記のプログラムは再開の日時が決まり次第、ホームページ・SNSにてお知らせいたします。 ○ ウミガメ教室【3時間コース】  改定前 → 大人(中学生以上):5,500円 / 小人(小学生):3,300円  改定後 → 大人(中学生以上):5,480円 / 小人(小学生):3,480円 ○ 放流体験  改定前 → 1頭 7,700円  改定後 → 1頭 7,980円 ○ 子ガメ de Night!  改定前 → 大人(中学生以上):2,500円 / 小人(小学生):1,500円  改定後 → 大人(中学生以上):3,980円 / 小人(小学生):2,980円 ○ 夜間子ガメの放流会  改定前 → 大人(中学生以上):1,500円 / 小人(小学生):500円  改定後 → 大人(中学生以上):1,500円 / 小人(小学生):500円 / 島民(大人1人):500円 ○ Touch the Egg! ~ウミガメの卵を埋めてみよう~  改定前 → 1巣(卵40~個)あたり 3,000円  改定前 → 1巣(卵40~個)あたり 3,480円   より一層、学びが増えるプログラムにしていくよう精進してまいりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。 小笠原海洋センター スタッフ一同   [...]

プログラム料金改定のお知らせ2022-04-02T14:46:26+09:00

【けろにあぶろぐ #4】ウミガメの口の進化を紐解く

2022-03-15T12:35:32+09:00

こんにちは! 最近、生物の進化にハマっている小笠原海洋センタースタッフのTSです。 前回のブログ「ウミガメの頭骨を眺める」では、ウミガメの特異的な頭骨の形状を掘り下げていきました。 今回は「頭」つながりということで、様々なウミガメの「口」に注目していきたいと思います。     こちらは小笠原海洋センターで飼育されている3種類のウミガメたち。 大きなアゴが特徴的な なっちゃん ↓   小ぶりなお顔のコータくん ↓   クチバシがしゅっと細めのアズキちゃん ↓ ご覧ください。一口に「ウミガメ」といっても、顔の特徴は十亀十色です。 なぜ同じ「ウミガメ」でもここまで違いが生まれるのでしょうか?   「種の起源」で有名なイギリスの科学者チャールズ・ダーウィンは、著書「The Voyage of the Beagle」でこう述べています。 ガラパゴス諸島に生息する、お互いに非常に近縁なグループであるダーウィンフィンチ類のクチバシの形状の多様性を見ると、ある1種がここにきて、それが(食性に合わせて)様々な種に分岐していったであろう事実は非常に興味深い("Chapter17 ガラパゴス諸島" より意訳) 「進化論」を唱えた生物学の祖、チャールズ・ダーウィン氏。余談だが、彼がダーウィンフィンチ類の自然淘汰における重要性を見出したのは、ガラパゴス諸島で集めたサンプルをイギリスの鳥類学者 John Gould に見せた後だった。   ダーウィンフィンチ類(Google画像)とはガラパゴスの島々に生息する、スズメほどの大きさの鳥類の総称です。 多種多様なくちばしが特徴的ですが、お互いに非常に近いグループだということが知られています (科レベルで同じ)。 ダーウィンフィンチ類の祖先種がこの島に飛来した後、空いていたニッチ(ある生物の生態的地位のこと。例えば昆虫食のダーウィンフィンチと種子食のダーウィンフィンチは違うニッチにいると言える。)に入り込み、その中で起こった種の分化は「食性」が大きく関係しました。 あるものは太いくちばしで硬いナッツを割り、またあるものは細いくちばしを使って虫や、サボテンの花、イグアナの血を餌としています。 エクアドルの海岸から約1000km離れているガラパゴス諸島では、もともと鳥類自体が多く生息していませんでした。 その空いていたニッチを埋めるかのように、ダーウィンフィンチの祖先種はそれぞれの食性に合わせて「適応放散(単一の祖先から様々な形状をした子孫が生まれること)」していきました。   ダーウィンフィンチのイメージ図。食性や地理的隔離よって種の分化が起こった。   食べるものによって口やクチバシの形状が変化するという現象(変化するというより、その食性に特化した個体が生き残って他は淘汰される)は生物一般に知られており、ウミガメ類も例外ではありません。   アカウミガメは自然界ではカニや貝など硬いものを食べて生活しています。 なっちゃんはアカウミガメという種類のウミガメで、殻をかみ砕くため頭は大きく、アゴも頑丈です。 がぶっ!アカウミガメの顔はイカつい印象を受けます。   アオウミガメは主に海藻(キントキ・アマモ・ホンダワラなど)を噛みちぎって食べるので、アカウミガメほど頭が大きくありません。 ウミガメの中でも小顔の部類です。 アオウミガメのコータくん。なっちゃんと比べてくちばしも小ぶり。   タイマイは「海綿(カイメン)」と呼ばれる無脊椎動物を主食としています。 海綿は岩やサンゴの間の狭いところにあるので、それらをついばんで食べれるようにクチバシは細くなっています。 タイマイはクチバシが他の2種より細く、しゅっと美形なお顔。左がアズキで右がキイロ。   ガラパゴスの鳥たちとウミガメの進化を同じ土俵で語るのはナンセンスな気もしますが、「口の形状が食性に影響」されるという事実はダーウィンフィンチの例と似ていますね。 いやむしろ、「食性が口の形状に影響」されて、ある食べものに特化したものたちが生き残こり、現存するウミガメ類となっていったのでしょうか? 最近の研究では、ウミガメは比較的交雑種ができやすいとされており、しかも従来推測されていたよりも雑食性が強く、上記以外にも結構なんでも食べます。 食性だけが現生ウミガメ類の種の分化に貢献したとは考えにくいですが、ウミガメ類の口の形状は進化の過程で選択された形質といえるのではないでしょうか?   「アオウミガメの顔ってかわいいよね~」 「アカウミガメの顔こわっ」   なんて感想をよく耳にしますが、それも彼らが長い年月をかけて進化してきた証拠なのですね。 それでは次回の「けろにあぶろぐ」でお会いしましょう!   参考文献 Darwin, C. (1996). The voyage of the beagle. Wordsworth Editions. Finches and evolution. (2018, February 6). KaiserScience. https://kaiserscience.wordpress.com/biology-the-living-environment/evolution/finches-and-evolution/ 池田博明. (2015). 高校生物の進化学(第2回)ダーウィンフィンチの自然淘汰. 遺伝 : 生物の科学, 69(2), 133–141. Meijer, H. (2021, October 29). Origin of the [...]

【けろにあぶろぐ #4】ウミガメの口の進化を紐解く2022-03-15T12:35:32+09:00

【けろにあぶろぐ #3】ウミガメの頭骨を眺める (2/2)

2022-03-12T19:00:45+09:00

こちらの記事は前回の【けろにあぶろぐ #2】ウミガメの頭骨を眺める (1/2) の続きです。 ウミガメの頭骨は非常にのっぺりとしています。 そこにはある理由がありました、、、。     ウミガメの頭骨には「穴」がありません。 この「穴」がないことこそが、「そのまんま感」の正体だと僕は考えます。 「穴」とは簡単に言うと、目の横に空いた穴のこと。正式には「側頭窓 (そくとうそう)」といいます。 従来、爬虫類を含む有羊膜類(ゆうようまくるい)はその側頭窓の数により、大きく3つの種類に分けることができます。 ※ 遺伝子解析が進んだ現在、この分類法はカメなどの例外がいることからあまり使われていません。     無弓類(むきゅうるい):両生類から進化し、側頭窓がありません。現在は絶滅したグループです。 単弓類(たんきゅうるい):側頭窓が1つある分類群。このグループが私たち哺乳類へと進化していきました。人では側頭窓が消失しています。 双弓類(そうきゅうるい):側頭窓を2つ持っています。恐竜や鳥類がこのグループに含まれ、実はウミガメを含むカメ類もこの双弓類に含まれます。   ではウミガメの頭骨を再度見てみましょう。   ( ゚д゚) ・・・  (つд⊂)ゴシゴシ  (;゚Д゚) …!?   やっぱり「側頭窓」がねぇぇぇぇ!!??   双弓類であるはずのウミガメの頭骨には、どこにも穴が見当たりません。 それもそのはず。長い進化のなかで、カメ類はその側頭窓を失いました この紛らわしい特徴のおかげで、長年生物学者たちは、カメを古代に繫栄した「無弓類」の生き残り、と分類していました。 しかし現在は、体の形態の総合的な比較やミトコンドリアDNAの系統関係を論じた研究などからカメ類は 「二次的に側頭窓を失った双弓類」とされています。   おねむなアオウミガメのコータくん。あなたも側頭窓がなくて? なぜ側頭窓が二次的に閉じたのか。 実のところ、まだよくわかっていないようで、咀嚼筋(そしゃくきん)をしまう必要がなくなったなど諸説あります。 いずれにせよ、ウミガメを含むカメ類は「側頭窓」を進化の途中で失い、他の爬虫類と比べて非常にシンプルな頭骨を手に入れたと言えるでしょう。   僕が、そしてあの時のお客様が「ウミガメの頭骨はのっぺりしているな」と感じたのは、こうしたカメ類の特異的な進化背景があったからではないでしょうか?   甲羅があったり、頭骨が爬虫類としては異質だったり。カメって身近な生物なようで、どこか変わった生き物なんですね。   それでは!

【けろにあぶろぐ #3】ウミガメの頭骨を眺める (2/2)2022-03-12T19:00:45+09:00

【けろにあぶろぐ #2】ウミガメの頭骨を眺める (1/2)

2022-01-17T17:53:47+09:00

ある日のウミガメ教室での一場面。 「これがアオウミガメの頭骨です!」 「へぇー。なんかのっぺりしてますねー。」 初めてウミガメの頭骨をご覧になったお客様は、比較的のっぺりとしたその風貌に驚かれたご様子。 生きている姿とはかけ離れた「頭蓋骨感」のある頭骨を想像していたようです。   この記事を読んでいるみなさまはウミガメの頭骨をご覧になったことはありますか??? 小笠原海洋センターに展示されているアオウミガメの頭骨コレクションs。 今でも鮮明に覚えていますが、私も初めて見た時は、 「そのまんまやん Σ(- -ノ)ノ エェ!?」と思いました。   ちなみにこちらはハシナガイルカの骨格。 どうも。ハシナガイルカです。 かわいらしい生前の姿とは趣を異にする、どこかプレデター感の漂うこのお顔立ち、、、。 (イルカの頭骨についてはまたブログを書こうかなと考えております。)   動物の頭骨ってどこかミステリアスですよね。人間でもイルカでも、無骨にあいた眼孔を覗くと、生きていた時の姿を想像して複雑な気持ちになります。 しかしウミガメはなんというか、、、。 見たままそのまんまなんですよ、、、。 どうも。アオウミガメです。 哺乳類のように体毛もなければ、軟骨でできた耳が生えているわけでもありません。 生きているときにはここに、筋肉、皮、鱗がつくのみです。 かといって他の爬虫類、例えばトカゲ(コモドオオトカゲ)やヘビの頭骨と見比べてみても、頭の形をしており、結構そのまんまです。 生前の姿との見た目のギャップが少ない分、のっぺりとした印象を抱くのでしょうか?   一応爬虫類であるウミガメですが、実は他と比べて非常に 特異な形状をした頭骨 を持っています。 そしてこの特異性こそが、見た目がなんとなく「そのまんまだな」と、印象を受ける理由なのかと私は考えます。   次回のけろにあぶろぐではこのウミガメの頭骨の特異性について掘り下げ、 「のっぺり・そのまんま感」の正体を突き詰めたいと思います!   次回もお楽しみに!

【けろにあぶろぐ #2】ウミガメの頭骨を眺める (1/2)2022-01-17T17:53:47+09:00

【けろにあぶろぐ #1】ウミガメの進化を垣間見る

2021-12-15T17:36:50+09:00

みなさんこんにちは! こちらのブログ【けろにあぶろぐ】では、 海洋センタースタッフの目線から、ウミガメ(たまにクジラも?)について気づいたことなどを書き、 みなさまとシェアできればなと思います。 第一回目のタイトルはずばり、、、 「ウミガメの進化を垣間見る」 毎日ウミガメを見ていると彼らのどんな些細なことでも疑問がわいてきます。 本日は水槽掃除中に思い浮かんだ、ウミガメの進化に関するプチ「どうして?」をテーマに進めていきたいと思います。 こちらは水槽掃除中のウミガメたち📸 海洋センターの最年長、アカウミガメの「なっちゃん」も   タイマイの「キイロ」も 水槽掃除の時はなすすべもなく少し首を引っ込めて丸まっていることが多いです。 周りからは「かわいい~」「首が引っ込んでる~」といった声が聞こえてきます。 首が引っ込むイメージがないウミガメのこうした一面は、私たちの目に愛らしく映るのかもしれませんね。ギャップ萌えというやつでしょうか。 しかし、僕はふとおもいました。 なんでウミガメの首って完全に引っ込まないのっ!!?? そこに進化的な背景があるのは確かですが、なぜ固い甲羅の中という防御を捨ててまでこうした体になったのか。 気になって仕方がないので、少し調べてみることにしました。   ◆ 初期のウミガメ類・カメ類とは? 調べてわかったことは、どうも初期のウミガメ類も首を甲羅の中にしまっている様子がありません。 白亜紀の海を泳いでいた史上最大のカメ「アルケロン」や、同じ時代に生きた「デスマトケリス」の頭骨はその体と比較して大きく、 骨格も現生のウミガメ類に酷似しています。 このことは彼らが今のウミガメ類と同じような体・形態を持っていたといえるのではないでしょうか。 非常に興味深い点として、2億1000万年前の地層から発見された最古のカメの仲間の一種(ウミガメではなく全体的なカメ類の一種)、「プロガノケリス」の頭が引っ込まなかったということ。 代わりにこのカメの首周りにはギザギザした甲板が発達し、弱点を守る働きをしていたそうです(平山, 2007)。 この「プロガノケリス」よりも1千万年古い時代に生息していたとされる「オドントケリス」もこの平べったい体を見る限り、 甲羅の中に頭が入るスペースはなさそうです。   ◆ なぜウミガメは首を甲羅の中に隠さないのか? となると昔のカメは首が引っこまずに、後になって子孫のカメ類がその能力を獲得したということでしょうか? Joyce (2015)や平山(1998)はカメが首を引っ込めることが可能になったのは現生カメ類の2大グループ、 「潜頸亜目(ミシシッピアカミミガメやスッポンなど)」そして「曲頸亜目(ヨコクビガメなど)」が出現してからだとしています(曲頸亜目は首を横に曲げることによって首を保護する)。 実は、現生のウミガメは全て「潜頸亜目」に属しており、縁日で有名なアカミミガメも滋養強壮に効果があるとされるスッポンも、大きなくくりで言えばウミガメと同じ仲間ということです。 カメ全体で言えば首の前後は後天的なもので、この2つのグループに分かれてから首が引っ込む能力を獲得した(曲頸亜目では首を曲げる)、というのが現在の説だそう。 ウミガメは生活の場を海へとシフトしたため、首を甲羅に隠す必要がなかったのでしょうか。 たしかに推進力を得るためのヒレと頭部を両方引っ込めていては、甲羅の中に多大なスペースを作らなければなりません。 そうなると流線型の体から遠のいて、水の抵抗が増してしまいます。 いずれにしろ、彼らはこの形態のまま現代まで生き延びており、 「首が引っ込まない」となにか捕食者に対する防御力が下がったような言い方をされますが、 祖先的な形状を残して進化した ということではないでしょうか?   少しは縮むウミガメの首に、彼らの昔の姿を想像してしまいますね。   参考にした文献 Joyce, W. G. (2015). The origin of turtles: A paleontological perspective: ORIGIN OF TURTLES. Journal of Experimental Zoology Part B: Molecular and Developmental Evolution, 324(3), 181–193. https://doi.org/10.1002/jez.b.22609 亀崎直樹. (2012). ウミガメの自然誌: 産卵と回遊の生物学. 東京大学出版会. 平山廉. (2007). カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化. NHK出版.          

【けろにあぶろぐ #1】ウミガメの進化を垣間見る2021-12-15T17:36:50+09:00
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